modo での Jewellery Design (ジュエリーデザイン) 10

Jewelry Design with modo - Product Sample
Jewelry Design with modo – Product Sample
Jewelry Design with modo - Detail - Petal
Jewelry Design with modo – Detail – Petal
Jewelry Design with modo - Detail - Core
Jewelry Design with modo – Detail – Core
Jewelry Design with modo - Side View
Jewelry Design with modo – Side View

今回のデザインの仕上げにあたる部分。まずマテリアルを調整し、マットな感じにして写り込みを抑えつつ、銀かプラチナの質感を出すように変更。表面に Noise を加えたのは前述の通りです。宝石部にも Noise を加えて透明度にムラを与えて少し本物らしくしたつもりです。 Emerald にしていたものを Pink Sapphire に変更。

Lighting は Preset の中から Environment > Studio の中のものを選びました。写真の撮影でもそうですが、平面の部分は質感を再現するのが難しく、フラットになりすぎているのが残念です。もし MODO 上に自分なりのスタジオライティングセットを作ったらそれを使用して改善しようと思います。物撮りの写真撮影と同じく黒マットと白マットをうまく組み合わせて、エッジや表面に自分なりの反射を組み立てる様なのが理想ですが、MODO preset 内の Environment を使うだけではそこまでうまく出来ないなと感じました。

アクセサリーなどは反射がきついものですので、Indoor か Outdoor の HDR Lighting を使うと、同時に環境のものも写り込んでしまい、ジュエリー・アクセサリーのデザインサンプルとしては使えない気がします。(写真でもそういうものは使ってもらえません。)広告用途なら面白い効果としてとらえられるかと思いますが、形状や材質のことを考えるためのプロトタイピングを目的とするなら、やはり Studio 系の HDR Lighting または直に Environment Material を使った方が良い結果を得られるのではと考えています。

これをレンダリングするだけでも、何回も失敗しては設定を変えの繰り返しで、だいぶ疲れたのですが、これも良い練習になったと思います。最終的には GI や Coastics を使用し、各部の品質設定を可能な限り良くして、3600 x 2400 Pixels の画質で Final render output 、Alpha Output の基本画像に Ambient Occlusion を追加して書き出しました。( Ambient Occlusion は Photoshop に持っていって合成しています。) また Render Rotation を使ってぐるりと一周する動画も書き出しました。こちらは後で編集して、Youtubeにアップする予定です。

デザインの関していえば、平面で考えていたデザインを 3D にしてみたことで、次から次へと課題がでてきてしまいました。次回一からからデザインをする時はもっと良いものを設計できるように問題点を意識、記録しようと考えています。

宝石、石留め周辺は良く出来たと思いますが、胴体の花びらの部分は平面すぎてつまらない点、また横や後ろから見た時に、あまり良く構想を練っていないところが見えてしまう点、物理シュミレーションまでたどりつけなかった点などは今後の大きな課題です。設計図の重要性も多分に認識しました。

まあ、広がってしまう構想でしたが、もとはといえば Illustrator から 3D モデルを立ち上げるのが目的でしたので、そこから考えると良く出来たなと納得はしています。

次回は、また別の対象を選ぶことになると思います。仕事を得ていかなくてはなりませんので、自分の作品の制作方法ばかり掲載してはいられないのですが、次回は少し詳細の機能のチュートリアルみたいなものをやりたいと思っています。

modo での Jewellery Design (ジュエリーデザイン) 9

Jewelry Design with modo - Material Setting
Jewelry Design with modo – Material Setting
Jewelry Design with modo - Environment Lighting
Jewelry Design with modo – Environment Lighting

マテリアルの設定とレンダリングは特に大事な作業で方法も様々です。絵作りに直結している作業なので目的によって全く違う設定が考えられよく混乱する場所でもあります。

今回のモデルに関しては、2種類のマテリアルだけで済みましたが、マテリアルを設定して、レンダリングしながら良い結果を得るまで追い込んでいく作業はとても根気がいると思います。今回の場合、 MODO のプリセットのマテリアルをモデルの各パーツにドラッグして割あて、その後質感設定など行っていきました。小さな画像でわかりづらいかと思いますが、 Noise を使って表面の質感を出したり、宝石部の色のムラ、曇りなどを操作しました。(図1)

レンダリングの設定によってもマテリアルは全く違うものに再現されます。下図は環境光を使用したもので、部屋の状態が宝石に映り込んでいるのがわかります。(図2) ただ下図は過度の反射や不要な映り込みがあるため、すぐに色あせそうな失敗作と思っていまして、上図のものを採用して、仕上げに入りたいと思っています。

マテリアル設定やレンダリングは人に細かい方法を説明されるより、マニュアルを片手に苦労して何度もレンダリングを繰り返し、自分のものにするのが一番の方法かと思います。私もまだまだですが、勉強で表現の幅が広がっていくのは楽しいですし、徐々に自分ならではのクオリティが完成していくような気がします。

そろそろ別のことに取りかからなくてはならず、次回は仕上げです。

modo での Jewellery Design (ジュエリーデザイン) 8

Jewelry Design with modo - Base Model
Jewelry Design with modo – Base Model
Jewelry Design with modo - Base Model Hollow
Jewelry Design with modo – Base Model Hollow

昨日作った宝石をベースにのせ、爪を作りました。パーツ同士干渉しないようサイズを調整しながら行った作業です。色々な微調整が残りますが、ベースモデルの制作は以上でほぼ完了しました。(図1)

また、採光のために内部をくり抜いたバージョンも作成しました。レンダリングの結果を比べて、良いものを選ぼうと思います。(図2)

modo での Jewellery Design (ジュエリーデザイン) 7

Jewelry Design with modo - Gem Part
Jewelry Design with modo – Gem Part
Jewelry Design with modo - Weight Map Assigned
Jewelry Design with modo – Weight Map Assigned
Jewelry Design with modo - Subdivided
Jewelry Design with modo – Subdivided

宝石の部分を作ります。まず、球の Primitive を主体に作っていきます。前出の試行錯誤でわかりましたが、そのまま球体を使用するのでは屈折の効果が感じられなく、希少な宝石を使用する場合にはもったいない印象になることがわかりました。ただオリジナルデザインの球面も保ちたいので、正面は球体、背面はカットの入ったものを目指しました。(図1)

背面にカットの様なものを加えて、Weight Map を適用します。Weight Map は Vertices 、 Edges 、Polygons 、に割り当てられる重さのようなもので、 Subdivide を使用するときなど、いろいろな場面で効果を発揮します。 Weight Map を、例えば、 100% 適用した部分はほとんど変形しないまま Subdivision Surface をかけられます。今回のように全面は球体、背面は角度のついたものを作ったりするのに役立ちます。車とかロボットとか、流線型を良く使用する最近のデザインには無くてはならない機能だと思います。(図2)

MODO での簡単な設定方法は、Vertex Map > Weight Tool か Edge Weight Tool にいって、適用パーセントを選び、スクリーンをクリックといった方法です。MODO は操作に癖があるので、慣れるまで何度か試すのが良いかと思います。

Weight Map 適用後に Subdivide をかけたものが図3で部分的に変形が少なくなっているのがわかると思います。(図3)

modo での Jewellery Design (ジュエリーデザイン) 補足2

宝石のマテリアルを幾つか試したものがこちらです。上図は MODO のデフォルトのマテリアルをほぼそのまま使用したもの。屈折率も最初から設定されているので便利ですが、綺麗すぎるのと
、人工的な感じがするところが少し納得がいきません。

宝石は天然に近いものの方が格段に価値が高いようですし、自然なものを目指しました。少し Noise などを組み合わせ、色味も調整したものが下図になります。Noise には種類が色々あるので幾つか組み合わせましたが、基本的には Noise Material を調整しながら、最後にTransparent Amount (透明度)、Transparent Color (透明カラー)などを割り当てました。天然の石は個体でも色が違う部分があったり、曇りがあったりしますので、それをイメージして作業しました。レンダリング時間だけは増えてきましたが、まだ良く再現できているとは思っていません。Noise を使うこと自体は良いと思うので、この件はまた後でじっくり取り組もうと思います。

また、MODO には Dispersion (分光)の設定もあります。スペクトル(虹のような帯で光が分解する)を再現できるはずで、こういうところで使用するのだなと思いました。

Jewelry Design with modo - Index of Refraction
Jewelry Design with modo – Index of Refraction

modo での Jewellery Design (ジュエリーデザイン) 補足1

モデリングは一旦置いておいて、次に宝石部の制作に入ります。

私のは趣味程度ですが、プロのデザイナーの方はカット方法とか彫金方法とか色々な専門知識を持って仕事されています。カット方法にも名前がついていて、それに対応したデザインとか、本当は知らなくてはいけないことがたくさんあるのだと思います。私のような素人にはすぐには覚えきれないことがたくさん。ただ仕事の場合、(フォトグラファーも同じですが、)一件一件、その道のプロの人に依頼される訳で、最低限3Dで制作するのに勉強すべきことがでてきます。このデザインを仕事だったとした場合、その1つが透過体の屈折率です。

フォトグラファーなので知っていることは、ガラスにも色々あって、その中でも高精度の光学性能をもつように製造されたのがレンズとかに使われている光学ガラスで、純度の低いガラスとには違いがあるということ程度。それが屈折率にどういう違いを与えているのか、屈折をどう利用してレンズが集光しているかは設計者の領域で、少しは勉強していてもそうそう数値的に捉えたことはありません。その上、天然石のそれぞれの屈折率など考えたこともありませんでした。

ただ私の場合、余計な経験が邪魔をして考えすぎなことが多く、もしモダンなグラフィック制作が目的とするなら、例えば透過体の屈折率は一般的に規定されている数値が公表されています。それを調べてモデルのマテリアル設定をすればいいだけのことでした。次回、いざ物理シュミレーションをやるぞって時はやる時で、今の時代、必要な情報はきっとどこかにあって、見つかるのでしょう。もちろん人のアイデアのまねはよくありませんが、、、

いいたいのは、割り切りも大事というか、どう勉強・発展しても完全に自然界のものを再現できるはずもなく、人生もそう長くはありません。なんか刹那い考えになってしまいましたが、次に補足の宝石の再現を目指したサンプルを作ります。

下は Diamond (ダイアモンド)の数値を設定。IOR “2.417” は何度も見たのでもう暗記してしまいました。

Diamond Ring
Diamond Ring

modo での Jewellery Design (ジュエリーデザイン) 6

Jewelry Design with modo - Background Constrain
Jewelry Design with modo – Background Constrain
Jewelry Design with modo - Inset and Bebel
Jewelry Design with modo – Inset and Bebel
Jewelry Design with modo - After Modification
Jewelry Design with modo – After Modification

出来る限り、ポリゴンにおかしな重複やダブりを避けようと、細かな修正を行います。こういう作業に便利なのが ”Background Constraint” で、基準にしたいベースの形状(画面では黒線)があれば、それに沿って頂点などを移動できる機能です。まず基準にしたいベースの形状を背景レイヤーにコピーして、左下の Snapping をオンにします。詳細メニューの中から Background Constraint を選択します。座標にまっすぐに動くよう、Ortho (正視)系統の Viewport (ビューポート)に切り替えて、頂点を移動。その時、Vector や Point の設定にするとちょうどいいようです。(図1)

大体整ったので、次に石留めの部分をへこませます。使用頻度の高い、Bebel や Inset を使って少しカーブを想定しながら何回かに分けてへこませます。これは、Subdivision をかける時に綺麗に曲がるようにです。ポリゴンが崩れたりしたら、頂点を連結させたりして修正し、精確に作業します。(図2)

少しずつですが、目標が見えた気がします。(図3)

modo での Jewellery Design (ジュエリーデザイン) 5

Jewelry Design with modo - Base
Jewelry Design with modo – Base

整理しながらですが、現在の状況はこうなっています。ソリッドなものにしようとしましたが、最初の組み立て方がまずかった、現状は断念しました。

次回は、石留め部分を考えて、そこに石をはめ込みます。丸カンかなにかでチェーンをつけることや、重さのバランスをシュミレートするなんてこともできれば最高ですが、時間的にそこまではちょっとできないかな。

modo での Jewellery Design (ジュエリーデザイン) 4

Jewellery Design with modo - Place Order
Jewellery Design with modo – Place Order
Jewellery Design with modo - Extrude
Jewellery Design with modo – Extrude
Jewellery Design with modo – Subdivision
Jewellery Design with modo – Subdivision
Jewellery Design with modo – Remove unused
Jewellery Design with modo – Remove unused

面を作りましたので、予定の順番に配置を並べていきます。小さなものを作っているので、数値入力での移動をお勧めします。(図1)

次に移動した分だけ、面に厚みを加えようと思います。Extrude を使用すると厚みを加えた上に裏になる面を自動で反転してくれるようです。また後の行程のため、side (側面) に segment を “3” 追加しました。(図2)

一度、押し出したものを Subdivide にかけてみようと思います。MODO には SDS Subdivide (TAB) と Catmull-Clark Subdivide (SHIFT + TAB) がメインにありますが、(CAD Loaderとの兼ね合いを未勉強のため、) まだ最終的にどちらを使うかは決めていません。 TAB キーで簡単にプレビューできますので、状態を見てみます。(図3)

側面の Segment “3” を設定したおかげで平たさは良く保たれていますが、不要な Edge が形のムラを作っていますので、これはバランスを見ながら綺麗にしておきます。削りすぎると元の形が変わりすぎるので必要なところは Loop (オブジェクトの周りを循環した線) にしておくと Subdivision はうまく反応します。(図4)

ここまでやってみると、やはり2次元で考えていたものと大分違った印象になり、少しがっかりしています。

modo での Jewellery Design (ジュエリーデザイン) 3

Jewelry Design with modo - Patch Tool
Jewelry Design with modo – Patch Tool
Jewelry Design with modo - Edge Slice Tool
Jewelry Design with modo – Edge Slice Tool

イラストレーターで取り込んだパスは MODO では Curves (曲線) と呼ばれていて、色々な場所でこの名前で使用します。まず Curve から面を作るのには、Geometry 内や Curve Palette 内にある Freeze を使用します。もし図形が綺麗に4辺で囲まれていたり、MODO で Curve を描く場合は Patch (図1 オレンジ部) を使用してもっと便利な方法があるのですが、今回はそれは使わないことにします。また、Illustrator AI ファイルには法線の情報は無いと思いますので、Freeze で出来上がった面は良く反転しています。裏面を確認し、反転している場合、Flip で正しい面に向けます。

出来上がった面は、少し複雑な形に対して一枚しかできておらず、後にサブディビジョンをかける時に問題を起こします。Edge Slice を使って、扱いやすく型くずれのしない程度に面を分割します。(図2 頂点と頂点を結ぶ Edge Slice)

少々、デザイン案が手抜きな感じがしますが、最初のお試しのものですのでこのまま進めます。他のパーツに関してもほぼ同じ作業を繰り返して面を作っていきます。